(昨日の方のお話の続きをさせていただきます。)
農業をされても無欲で研究心旺盛で真心を持って行われる。親孝行は人一倍。哀れみ情けの心は素晴らしい。人の恩は忘れられない。そして何をされるのも深く考えてやられる。すごい人であります。腹を立てない人間は自然がそうさせられるのでしょうか。
けれど、現在までの道中は決して順風満風ではありませんでした。やはり苦労を奥さんと三人の子供さんと共にされ、お父さん(お爺ちゃん)が「わしが死んだ後は息子はようやっていくやろか」と心配をされたり、又 「夫婦仲良くせえよ」と言って亡くなられたのですが、その後 お婆ちゃん曰く「お爺さんは息子夫婦に仲良くするようになど言わなくとも良かった。仲がええんじゃけぇ」と、言われたほど、夫婦仲が良い。今までの努力と辛抱と積まれた徳が花を咲かせたのです。それは家の前の通りに自分の所で作られた野菜を台の上に並べられると、次々とお客様が見えられどんどん売れていく。今までは地元の市場に出荷されていたが、大した値段は付けてくれなかった。今度はそれと違い、良い物は良い、の、値打ちだけの値段で売れていく。数年目には一年間で何千万円もの売り上げが出て来て、大工さんが「これはお店を立てなくてはならない」と言って店が出来、益々お客さんが増え、自分の所の品物だけではとても追いつかないので、周辺の農家の方の野菜も、又 辞めてしまっておられた農家の方も再び作られるようになり、持って来て下さる。