【人生は捨てる所であります】

私は人間として生まれてきて現象から見てこれが正しい考え方だと思っております。生まれてきた赤ちゃんに服を着て生まれてきた赤ちゃんを見た事もない、ましてやお金を握って生まれてきた赤ちゃんを見た事もない。等しく皆 丸裸で何一つ持たずに生まれてくる。死ぬ時はどうか?お金を持って死んで行った者も無ければ、自分の死体ですら ほったらかしで死んでいる。
生まれてから死ぬまでの間を人生と言う、ということは「人生とは捨てよ」と天の神様から言われ それを行として来いとこの世に追い出されているのであります。それ以外に無い。

けれど世の中を見渡すと地位、名誉、金、財産、見栄、体裁、に心を奪われ執着心に汲々としている人が多い。その心で生きていてすぐには不幸にならないが面白い事にそれが原因になり最後はどうする事もできない地獄の底へ落ち不幸になるのであります。これは一つの原因と結果の因縁であります。特に現在は因縁の恐ろしい事を知らない、心の盲の人が多いようです。幸福はその逆であります。全て一切を求めない、すると、必ず幸福が訪れる事になっている。このように世の中は出来ている。それが天の法則であるようです。

一つの例として、仕事をして頂いた給料を自分のお金だと思う。そこが間違いの始まりです。それが不幸の始まりであります。給料は自分が働いて稼いだ お金ですが本当は天から頂いたものであります。

初めに書かせて頂いたが、裸で生まれてきて何一つ持たずに死んで行く私達人間は自分の物は何一つもないのであります。自分の物と思うのは幻想です。全て天からの借り物です。実は体も命も天からの預かり物です。ましてや働いたと言って その給料は当然自分のものではなく預かったものです。

まず自分の為に使おうと思っては人間として失格となります。まずその給料を一番に世の為、人の為どのように役立てるか、その後、自分の事にと考えるのが正しいのであります。この考え方のみが幸せになれる法則であります。商売をしている人も また同じであります。

世が末になると自分を助ける事、自分の事のみを考える状態になりますが本当は人を助ける、人を助ける仕事をしなければ、その考えに立たなければ自分を助ける事にはならない。自分が助かりたかったら人を助けなければならない。これが世の仕組らしい。どうもそのようである。