【晴天の霹靂(へきれき)の民事裁判 第六回】

それには前例があります。今の持ち主でなく、お父さんの時代に私は土地を借りたのです。その時は、今から三十五年も前の事なので、農業の世界は化学肥料と農薬の巻き返しの農業で、今に国民の健康が大変な事になる。だから農業の有り方を変えねばならない事を説明して、安全な農業、昔の農業に立ち返られなければならない事を話して、土地をお借りして地力の元である堆肥を作りたいのです、と申し上げたのです。お父さんは人の良い人で裁判中(国と旧地主の)でもあるので、「本当は誰の物か分からない。世の為人の為使って下さるのであれば、無料でよろしいです」と言われたのですが、私は無料では申し訳ないと思い、土地代をその月からお支払いをして十年二十年と借りている間、私の方から土地代を時代に合わせて値上げをしておりました。お父さんは「竹内さん、どの様に使っていただいてもよろしいですよ」と言っていただけたので、そこに作業場を建てさせていただいておりました。

お父さんが亡くなられ、その息子の代になって言ってこられたのが「その作業場を無断で建てたので、それを渡せ」と。そして「再び貸してやるから家賃を払え」と言ってきた事があるのです。その様な過去のいきさつがあるので、容易に私が借りている地主が、隣の地主と どんな話をしたのか すぐに分かったのです。

「裁判は我々に任せておけ」と言ったのでしょう、私の隣の土地の持ち主は矢面に立ちながら裁判には一度も出て来なかったのです。でありますから私の建てた作業場が隣の土地の持ち主の土地にすっぽり入るように、偽のポイントを闇にまぎれて立てたのでしょう。昼間は私達が仕事をしているからです。

それがばれたのが、この裁判中に私には分からないが なぜか測量を又しなおすと言い出したのです。そして測量して今あるポイントが偽物で、本物は土の中に叩き込んで埋めてある事が分かったのです。

この頃の測量は人工衛星からGPSで測るので、1cmの狂いも無く分かるのです。測量技師が「このポイントでは無い」と、偽のポイントを指して言う。二回測量をしなおし、やはり同じ所のその測量地を掘ってみると、本当のポイントが出てきたのです。

裁判の成り行きから、このままでは刑事裁判を起こされたら負けると思ったのです。本物のポイントを抜いて偽物を立てるとこれは完全に刑事裁判になると負ける事を知っている。しかし偽のポイントのまま裁判を進めると これも危ないと思ったのです。なぜかと申しますと、裁判が終わった後で そのポイントが偽だと分かった時には詐欺罪が成立するのです。それで、測量のしなおしを したいと言い出したのです。

その時は私には何の事か分からなかったのですが、後になり県外の別の弁護士に聞いてみると、先に書いたような答えでした。私の依頼弁護士も相手と共謀して行動していたのです。